【風営法】店舗型 vs 無店舗型性風俗特殊営業の違いとは?
開業許可・物件・届出のポイントを解説!
風俗営業の中でも、「性風俗特殊営業」は特に厳しく規制されています。
この中には、大きく分けて【店舗型】と【無店舗型】の2種類があり、開業の手続き・許可のハードル・営業スタイルがまったく異なります。
本記事では、これから開業を検討する事業者向けに、
「店舗型性風俗特殊営業」と「無店舗型性風俗特殊営業」の違いと注意点をわかりやすく整理します。
そもそも「性風俗特殊営業」とは?
風俗営業とは異なり、風営法第2条第6項で定義される“性的サービスを提供する事業”のことを指します。
風営法上、以下のように分類されます。
種類 | 主な業種例 |
---|---|
店舗型性風俗特殊営業(1号営業) | ソープランド、ファッションヘルス、個室ビデオ店など |
無店舗型性風俗特殊営業(2号営業) | デリヘル、派遣型エステ、出張マッサージなど |
店舗型と無店舗型の違い【一覧表】
項目 | 店舗型性風俗特殊営業 | 無店舗型性風俗特殊営業 |
---|---|---|
営業形態 | 店舗内でサービス提供 | 派遣型(ホテル・自宅)でサービス提供 |
許可要件 | 風営法に基づく【許可制】 | 風営法に基づく【届出制】 |
物件制限 | 極めて厳しい(商業地域+距離制限あり) | 事務所なら用途地域の制限なし(実地サービスは店舗外) |
保全対象施設との距離 | 出入口から100m以上(学校・病院・児童施設など) | 事務所からの距離要件なし(※一部例外を除く) |
店舗の構造要件 | 出入口が1つ/看板規制/外部視認不可など多数 | 特に構造要件なし(事務所) |
許可取得の難易度 | 極めて高い(新規開業はほぼ不可能に近い) | 比較的容易(適法にすれば全国で届出可能) |
店舗型の特徴と注意点
主な業種
- ソープランド
- 店舗型ファッションヘルス
- 店舗型アロママッサージ(性的サービスあり)
- ビデオボックス等(性的サービスあり)
特徴
- 店舗内でサービスを提供するため、施設そのものが規制対象となる
- 建築基準法・消防法・風営法の三重チェックあり
- 許可制であり、警察による実地審査・近隣住民通知も必要
実務上の注意点
- 開業できる物件が都市計画・条例の関係で極端に少ない
- 既存店の居抜きや許可譲渡でなければほぼ開業不可能
無店舗型の特徴と注意点
主な業種
- デリヘル(派遣型ファッションヘルス)
- 出張性感マッサージ
- 派遣型アロマエステ(性的サービスあり)
特徴
- 事務所(待機所・受付)を設置し、そこから派遣を行うスタイル
- 性的サービスを提供する場所は「ホテル・自宅などの出張先」であり、営業所ではない
- 許可ではなく【営業開始届出】を警察署に提出すれば営業可能(届出制)
無店舗型開業のメリット
- 事務所は原則どこでもOK(住居地域でも可能な場合あり)
- 比較的手軽に開業でき、実際の風俗業界では主流業態となっている
- 居抜き物件でなくても、自宅開業に近い形でもスタートできる
注意点
- 出張先でのトラブル対応・警察への通報リスクに備える運営体制が必須
- 実態が「店舗型」に近くなると摘発リスク(待機所で接客など)
まとめ:あなたの事業に合うのはどっち?
特性 | 向いている業態 |
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高額客単価・ブランド志向 | 店舗型(ただし物件取得が困難) |
初期費用を抑えたい・柔軟な営業スタイル | 無店舗型(全国どこでも届出しやすい) |