ハプニングバーとは?風営法・刑法・売春防止法の観点から違法との境界
「ハプニングバー(通称:ハプバー)」とは
不特定多数の男女が出会い、自由な会話・飲食・身体的接触などを行う“社交空間”を提供する店舗です。
主な特徴:
- 会員制・年齢確認あり
- ドレスコードやルールを設ける店舗が多い
- カップルや単独男性・単独女性が参加可能
- 実際には「性行為」に発展するケースも少なくない
風営法との関係:基本的には対象外
ハプバーは「飲食店」や「社交場」として営業しており、風俗営業の許可は取っていないのが通常
風営法では「異性との接触がある営業」は1号営業などに該当するが、ハプバーはそれを「店側が提供しているわけではない」=風営法の規制外という建前を取っている
なぜ違法になるのか?
リスク | 法律 | 内容 |
---|---|---|
性的行為の場所提供 | 売春防止法(場所提供罪) | 店舗内での本番行為を黙認・助長すれば違法 |
不特定多数の前での性行為 | 刑法(公然わいせつ罪) | ほかの客の前での行為は「公然」と判断される可能性あり |
管理売春 | 売春防止法 | 店側が性行為を黙認・制度化していると「管理売春」扱い |
※ 店側が「自由意思に任せている」としても、実態が営業として性行為を助長していれば、摘発されうる。
実際の摘発事例
2020年 東京・新宿のハプバーが摘発(公然わいせつ・風営法違反)
→ 男女複数人が性交する場を提供し、店側も黙認していた
2023年 大阪のハプバーが“性行為を主目的とした社交場”と判断され摘発
→ 食事・飲酒よりも性行為の場として機能していたと判断
ハプバーは営業できるのか?
建前上は「飲食店」または「社交バー」
開業自体は可能ですが、以下の注意点が必要です
- 接触・性行為を推奨・容認していないか(パンフ・HP・会話含む)
- 実質的に性行為の“場所”を提供していないか
- カメラ設置・店員立会いがあるかどうか(公然性の有無に影響)
- 顧客同士の行為が常習化していないか
行政書士視点からのアドバイス
- 風営法上の許可区分には該当しないが、運営方法によっては即、刑法・売春防止法の対象になりうる
- とくに店側が「わかっていながら見逃す」=黙認が一番危ない
- 形式だけ「社交バー」でも、実態が伴わなければ一斉摘発の対象になる可能性がある
ハプニングバーのまとめ
項目 | 内容 |
---|---|
法的位置づけ | 飲食店・社交場 |
許可・届出 | 飲食店営業許可・深夜酒類提供飲食店届出 |
リスク | 公然わいせつ、売春防止法違反、管理売春 |
違法となる境界 | 性行為を黙認・助長・制度化していると危険 |