ソープ とヘルスの違いとは?風営法上の位置づけと“本番行為”の合法・違法の境界線
「風俗店」と一括りにされがちですが、実は“ソープランド”と“ヘルス(ピンサロ・デリヘルなど)”では法的な取り扱いが全く異なります。
最大の違いは、「本番行為=性交渉」が黙認されるかどうかです。
ソープとは?【特殊な合法枠】
店舗型性風俗特殊営業(風営法2条6項2号)に分類
一般に「浴場施設」の形態を取り、サービスの一環として入浴・マッサージを提供
実態は“自由恋愛”による性交渉が行われる場所
なぜ合法視されるのか?
- 客とキャストの関係が「自由恋愛」であるという建前
- 営業者が性行為を指示・強制・黙認しない限り「管理売春」ではないとされてきた
- 一部地域(吉原・堀之内・千葉栄町など)では、歴史的に黙認・事実上の許容
ヘルスとは?【本番禁止が大前提】
- ヘルス=ピンサロ・ファッションヘルス・デリヘルなど
- 店舗型/無店舗型性風俗特殊営業のいずれか
- 提供できるのは「本番を伴わない性的サービス」
風営法での扱い
区分 | 該当業種 | 許容されるサービス |
---|---|---|
店舗型性風俗 | ピンサロ、ヘルスなど | オーラル、手コキなど |
無店舗型性風俗 | デリヘルなど | 客宅・ホテルでの性的接客 |
※本番行為があれば→売春防止法違反・刑法違反
ソープとヘルスの比較表
項目 | ソープランド | ヘルス(ピンサロ・デリヘルなど) |
---|---|---|
法的分類 | 店舗型性風俗特殊営業 | 店舗型 or 無店舗型性風俗特殊営業 |
本番行為 | 建前:自由恋愛で黙認されることあり | 明確に禁止(行えば違法) |
歴史的背景 | 戦後の特殊浴場制度が前身 | 1980年代以降に発展 |
本番行為がなぜソープで許容されているのか?
- ソープランドでは、客と女性が受付後に“自由恋愛”に発展したという建前をとる
- これにより、店舗が売春をあっせん・管理しているとはされず、売春防止法に抵触しないという理屈
- ただし、これは極めて危ういバランスで成立しており、全国一律で許されているわけではない
ヘルスで本番をしたらどうなる?
- 無店舗型で性交渉があれば → 売春防止法違反(管理売春、場所提供など)
- 店舗型で同様の行為があれば → 売春防止法+風営法違反(無許可の行為)
※たとえ“自由恋愛”を名乗っても、実態として常習的・営業的に行われていれば即摘発対象